肝硬変を食事療法で改善する

更新日時:2017-04-03 00:35:54

肝臓病の代表格、肝硬変の食事療法は栄養バランスが焦点となります。

肝硬変治療と肝臓をいたわる食事

肝硬変になってしまったら、医師病による薬物療法はもちろんですが、日々の生活の中で差食事療法を実践していく必要があります。肝臓病は自覚症状が薄く、肝硬変も初期段階ではほとんど明確な症状は出てきません。明確な症状が出る前と症状が出て合併症などを引き起こしたり、引き起こすリスクが高まっている状態では、当然ながら対処も違ってきますので注意が必要です。

肝臓は元々、消化吸収した栄養素を貯蔵する、いわば「栄養倉庫」の役割を果たしている場所。更に胆汁の生産、有害物質の分解など、様々な機能を持っています。逆に言えば、それだけ様々な機能をもっている箇所が異変をおこしているわけですので、体にとっては大変な負担であることがよくわかりますよね。

では、肝硬変になってしまったらどうすればいいのでしょうか。肝硬変の食事療法の基本は、しっかりと適切な栄養管理を行った食事をとることです。栄養バランスが良いものを、なるべく多品目を摂取します。適正なエネルギー量を守り、肝臓機能が衰えることで栄養不足になりがちですので、1日3食きちんと食べることが重要です。アルコールは控え、塩分も摂りすぎないよう注意しましょう。腹8分目を目安とし、カロリーや脂肪の取りすぎて肝臓に負担をかけないよう調整します。

肝硬変の原因と症状を考える

肝硬変の原因となるのは、肝臓への長期にわたる負担です。負担となる原因には慢性的な肝臓への刺激・ストレスがあります。代表的な例を言うならば、肝炎ウィルスや、過度の飲酒、そして生活習慣による脂肪肝などがあげられます。アルコールによる肝硬変は、女性の方がなりやすいとされています。また、近年では脂肪肝を原因とする肝硬変が増えています。

元々肝臓自体は非常に再生力の強い臓器です。しかし一度肝硬変になってしまうと、完全な回復は見込めません。日ごろからアルコール量を制限し、塩分や脂肪を取りすぎず、適度な運動を心がけておくことで予防が可能です。ただし、肝硬変自体が自覚症状の薄い病気ですので、気づきづらいのが現状です。症状が出たころには、すでにだいぶ病気が進行してしまっています。症状が表に出てきた時には、まずは体のだるさ、疲れやすさを感じるようになりますので「最近疲れが取れないな」と感じたら一度検査を受けるべきかもしれません。

症状が進行すると、腹水がたまる、肝性脳症、食道静脈瘤、黄疸などの症状が起こります。食道静脈瘤は、破裂すると消化管出血を起こし、最悪出血死を起こすこともありますので非常に危険です。また、肝硬変から肝臓がんに至るケースもあります。

代償期と非代償期の栄養管理

では、肝硬変を食事療法で改善する具体的な方法はどんなものでしょうか。前述した多品目による栄養バランスと、カロリー、塩分の調整、アルコールの制限は必須です。しかし、具体的な食事療法の内容は、代償期と非代償期のどちらにあたるかによって変わってきます。

代償期は肝硬変の明確な症状が出る前の段階です。できるだけ禁酒を心がけるべきですが、食材に関する制限は特にありません。タンパク質とカロリーはしっかりと摂りましょう。もちろん、過剰に撮る必要はありませんが、標準体重を維持できるようにしておくべきです。肝臓の有害物質の分解機能が落ちているために食中毒になりやすくいので、肉・魚・卵の生食は避け、しっかりと火を通します。

非代償期は肝硬変の症状が出始めた後です。合併症などが起こった場合は、それに合わせた対処法が必要になります。腹水がある場合は、塩分量が1日3~7gになるように調節します。また、肝臓が栄養を退社する機能がおちているため、食事の間をあけすぎないことも重要です。食事(特にタンパク質)を何度かにわけるほか、足りない栄養を筋肉や脂肪から消費するようになってしまうので、筋肉の維持をできるように軽い運動を行います。夜と朝は魔が空きますので、寝る前に200kcal程度の夜食を摂ります。運動の種類や量、夜食については主治医とよく相談しましょう。

肝性脳症の食事治療

非代償期に起こりやすい深刻な合併症の一つとして、肝性脳症があります。肝機能の低下によって、意識障害、異常行動などの神経症状を引き起こします。軽度ではイライラや怒りっぽくなる程度の症状ですが、最悪、昏睡状態に陥ることもありますので、油断することはできません。原因は、肝機能が落ちたことによって体内の有害物質が分解されることなく蓄積されてしまい、神経毒であるアンモニアの血中濃度があがることによって起こります。

血中のアンモニア上昇を抑えるためには、アンモニアの原料となってしまうタンパク質を制限します。当然、必要なタンパク質が不足することになりますが、アミノ酸製剤や肝臓病専用のタンパク質制限用の特殊食品が必要になります。この点は主治医に確認を取りましょう。タンパク質の量の制限については専門家でも判断が難しいものですので、素人判断で制限を行うと、かえって栄養不足を招きかねません。タンパク質摂取の制限がない段階では、なるべく魚のタンパク質や大豆などの植物性タンパク質を摂取し、肉類の動物性タンパク質は避けるべきです。

また、肝性脳症の改善・予防に重要になるのは食物繊維です。食物繊維をとることで便秘が解消されて、アンモニアの発生を最低限に抑えることができるようになります。なるべく積極的に摂取しましょう。なお、野菜類は生で食べることができますが、抵抗力が弱っているので、よく洗って衛生的な状態で摂取しましょう。

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