痛風治療の基本は食事療法

更新日時:2017-04-05 04:23:47

痛風 食事療法

『風が吹くだけでも痛い』とされる「痛風」の辛い症状。治療には食事療法が有効ですが、具体的に歯どういった点に気を付ければよいのでしょうか?

高尿酸血症・痛風の原因と治療

体血清尿酸値が7.0mg/dlを越えて高くなると、高尿酸血症と呼ばれる状態いなっています。高尿酸血症と痛風は厳密には別のものですが、高尿酸血症になると合併症として痛風を起こす確率が高くなります。血液中に溶けきらない尿酸が結晶化して、足の親指の関節などに付着して、腫れや激痛を伴うようになった症状が痛風なのです。

痛風は悪化すれば歩くことすらできないほどになります。アルコールや高カロリーの食事が原因となるため、かつては「贅沢病」と呼ばれていた痛風ですが、最近では食生活の欧米化が進み、また昔とは違い肉類の方が安価に購入できることもあいまって、贅沢な生活をしていなくても珍しくない病気となりつつあります。30~50代の男性に多く、女性もホルモンバランスが崩れる更年期以降に痛風になる方が多いようです。肥満やストレスも痛風の要因の一つです。

病院での治療は主に薬物療法になりますが、普段の食生活の改善が不可欠となります。痛風の原因となる食生活をあらため、過食を控え、栄養バランスに富んだ、低カロリー高たんぱくの食事治療で痛風を改善することが可能です。また、水分をたくさん摂取することで、尿酸が排泄されやすくなり、痛風の症状改善に役立ちます。目安は1日に2リットルです。一度に摂取するのではなく、こまめに回数を分けた摂取が望ましいでしょう。

プリン体とアルコールは痛風の原因に

痛風の食事療法に不可欠なのはプリン体の制限です。プリン体を多く含む食品、そしてアルコールを控えることは絶対条件といっても良いでしょう。食べ過ぎ・飲みすぎがつらい痛風発作に繋がってしまいます。日々食事療法を地道に続けることが重要なのです。

たとえば鉄分などの栄養が豊富なレバーは、プリン体もたっぷりですので注意が必要です。脂質の多い肉も避けるべきでしょう。低カロリー高たんぱくを目指すなら、血液サラサラ効果のあるDHA・EPAを含む青魚はよさそうに思えますが、カツオやイワシはプリン体が多めなのでご注意を。また。魚でも干物にするとプリン体も凝縮されてしまい、多くなりがちですので避けた方がいいでしょう。魚介ではほかにエビ類がプリン体の多い食品になります。

魚介や肉などの煮汁はダシがとれて大変においしいものですが、実はこのうまみ成分がプリン体のかたまりのようなもの。とりすぎは厳禁です。アルコールは全般的によくありませんが、特にビールがプリン体を多く含んでいます。会社帰りに焼き鳥をつまみながらちょっと生ビールを一杯……なんて毎日を繰り返していると、痛風に一直線になってしまうかもしれません。

魚介や肉などの煮汁はダシがとれて大変においしいものですが、実はこのうまみ成分がプリン体のかたまりのようなもの。とりすぎは厳禁です。アルコールは全般的によくありませんが、特にビールがプリン体を多く含んでいます。会社帰りに焼き鳥をつまみながらちょっと生ビールを一杯……なんて毎日を繰り返していると、痛風に一直線になってしまうかもしれません。

アルカリ性食品で尿酸値を下げる

しかし、実はプリン体よりも気を付けるべきは肥満です。肥満は痛風のリスクを増加させてしまいます。予防面でも治療面でも、改善すべき課題です。また、ストレスのためすぎも尿酸値をあげてしまいます。

アルカリ性食品で尿酸を下げる

痛風にはストレスもかなり影響してしまいます。プリン体制限に神経質になりすぎるあまりに、ストレスをため込んでしまったら、結局その影響で尿酸が高くなり痛風発作を起こしてしまうかもしれません。厳格に制限ばかりするのではなく、総カロリー量を減らして肥満を予防し、尿酸を下げる食品を適切に摂ることが重要になります。

尿酸値を下げるためには、アルカリ性の食品を摂取することが望ましいです。アルカリ性の食品として、海藻類・野菜類・きのこ・大豆・イモ・果物などがあげられます。ただし、イモ・果物に関しては糖質が多く、食べすぎは肥満に繋がります。また、果物の一部は薬との飲み合わせに適さない場合もあるので、石によく確認をしておいた方が良いでしょう。カロリーが少ない海藻類(わかめ・ひじきなど)はおすすめの食材です。また、ニンジンやゴボウなどの根菜は、食物繊維が豊富で満腹感を得やすいことから肥満防止の面でもおすすめできます。また、牛乳や乳製品、コーヒーは痛風予防に良いというデータがあります。ただし牛乳・乳製品はカロリーが高めですので、適量を心がけましょう。

食事制限はストレスなく行うことが大切ですので、プリン体は極端に高いものは避け、アルカリ性のものを中心に適度な摂取をすることが望ましいです。しかし、添加物の多い加工肉やジャンクフードに関しては、悪化させる要素しかありませんので、避けた方が良いでしょう。

薬と食事療法を組み合わせた治療

痛風発作はつらく苦しいものです。そして残念ながら一度痛風になってしまいますと、今の医療では基本的に完治することは望めません。適度な運動とカロリー制限を行い、食事療法と薬による治療を組み合わせながら、寛解を目指すのが現時点での最良の結果と言えるでしょう。

痛風の薬物治療は、基本的に尿酸値を下げる薬、そして痛風発作を予防する薬に分かれます。尿酸値を下げる薬は、尿酸を過剰に生産してしまうタイプの方は尿酸生成抑制剤を、尿酸排出が低下するタイプの方にヒア尿酸排出促進薬を使います。尿酸降下薬は初めのうちは痛風発作を悪化させることもありますので、鎮痛剤を一緒に処方し、最初は少ない量からはじめ、徐々に量を増やしていきます。痛風発作の前触れがある時は鎮痛剤を飲むことで症状を抑えられます。

食事療法は1日2日ですっきり改善するものではありません。時にはどうしても食べ飲みに付き合わなければならないこともあるかもしれません。もし「仮に痛風発作が起きてしまったら、自己判断で市販の鎮痛薬を使おうとはせずに、必ず医師に相談してください。基本的には痛みが落ち着いてから病院に行くことになります。どうしても痛みが耐えられず、病院にも行けない状況の時は、市販の薬では「ロキソニンS」が痛風の痛みに効果的です。アスピリン系の鎮痛薬は痛みを増長してしまいますので、絶対にの編まないようにしてください。基本的には、市販薬はその場しのぎでしかありませんので、動けるようになったらきちんと医師の判断で適切な治療を受けてください。

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